〜漫画感想blog〜

数年に一度漫画の感想書きます。

麗しの80年代。『風呂上がりの夜空に』ダウンビートが鳴り響く[風呂上がりの夜空に][漫画感想]

 

 

 

風呂上がりの夜空に(1) (ヤンマガKCスペシャル)

風呂上がりの夜空に(1) (ヤンマガKCスペシャル)

 
バブルもソ連も崩壊する前の時代
 
80年代の名作『風呂上がりの夜空に』です。
 
 
前々から読みたいと思ってた作品で
絶版漫画図書館にあったので読んでみました
 
軽い気持ちで読んでみました
 
読んでしまいました
 
一気に読んでしまいました
 
最終巻を読みきってしまうのがもったいないと思う漫画は久々で
 
まだまだ面白い漫画はいくらでもあるんだと再認識させられました
 

 

 

 ストーリーは非常にシンプルなラブコメ

 

某高等学校に入学した新入生の

 

”松井辰吉”と辰吉を慕って同校に入学した銭湯の看板娘”花室もえ”が主人公

 

辰吉は中二の5月に家の近くの土手で花室もえを助けた際、尻に14針の切り傷を負う

 

もえは自分を助けてくれた辰吉を忘れられず、父親の北海道転勤を機に祖母の銭湯に移り住み某高校に入学する

 

その2人の恋物語を軸に個性豊かな登場人物と主人公達が織り成す物語

 

云々

 

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この漫画のおもしろいところはたくさんありますが

 

時代を感じさせないキャラクター

一話完結の短編で構成されているストーリー

 

この2点は正直80年代とは信じられないレベルです(昔の漫画のレベルが低いというわけでなく)

 

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この漫画では連載当時流行していたファッションや音楽が多くちりばめられています

 

流行というのは時代を象徴する物

 

時代は移り変わるものなので、少し前にはやっていたことでさえ

次の瞬間には過去のものとなる

 

その流行が良いか悪いかではなく単純に過去なんですよ

 

それは漫画のキャラクターもそうです

 

キャラクターというのは特に時代を映します

 

ふとした時に見せる表情や台詞からでも時代というのは見えます

 

しかし僕はこの漫画を読んでそういった風にはあまり感じませんでした

 

一見無気力だけど誰よりも常識人な辰吉

辰吉に対する愛情はすごいが自分への好意には悪気は無く非常に接するもえ

 

何度読んでも当時の2歩3歩4歩先を行くキャラクターにはただ驚かされます

 

魅力というのは流行ではなくキャラクターに宿るんだなと勉強になりました

 

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さらに驚かされるのはストーリー構成です

 

話の主軸は2人のラブでコメなストーリー

 

もちろんこの主軸によりストーリーは動くのですが

 

この漫画は毛色の違う一話完結の物語で構成されています

 

また一話完結の各話のギミックがすごい

 

複数のストーリーが同時進行する話

数話にまたがる夢落ち話

全く主人公が出てこない話

主人公の子どもが出てくる話

オチが最初に来る話

等々

 

これは読んでもらわないと伝わりにくいのですが

 

個別の物語を主人公たちのラブストーリーでつないでいく構成力は圧巻です

 

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調べてみると

 

絶版→再販→絶版→再販を繰り返してるみたいで

 

好みが分かれる漫画といえるかもしれないです

 

 

好きな人は強烈にはまる漫画です

 

上に書きましたが絶版漫画図書館で読めるので是非読んでみてください